2017年12月31日日曜日

バルト三国(その7) リトアニア シャウレイ前編

鉄道の車両内の様子は各国で全く違い、それが旅行の小さな楽しみの一つになっています。

今回のシャウレイへ向かう鉄道の車両は、とても清潔かつ便利でした。
私は20ヶ国近くの鉄道に乗ったことがありますが、その中でも一番快適でしたね。
物凄く綺麗な上にWi-Fiも繋がりますし、ついでに乗客のマナーもとても良いです。

ちなみにヴィリニュス→シャウレイの運賃は11ユーロくらいで、かなり安かったです。
以前記事に書いたとおり、バルト三国は鉄道網よりもバス網の方が発達していますが、
このクオリティの鉄道がそれほど使われないのは勿体ないなと思ってしまいました。
はい、思いっ切り鉄道好きの贔屓目が入っていますね…笑

途中で車窓から見えたケダイネイ(kedainiai)という小さな街が気になるなあ、
等と思いつつ、2時間少しでシャウレイに着きました。


















まずは予約を取っていたPigi nakvyneというアパートメントへ。

一人だと少し寂しくなるくらい広々とした部屋で快適でしたし、
オーナーの方が周辺の地理について教えて下さったりと、とても親切で良かったです。
「十字架の丘へ行くの?」と聞かれたので、やはり皆そこへ行くんだなあと思いました。
十字架の丘(Hill of Crosses)の話は次の記事で書きます。

シャウレイの街は落ち着いているのは良かったのですが、それにしても静かすぎました。
次の日の昼には人が沢山いたので、おそらく時間帯の問題なのだろうと思います。
コペンハーゲンあたりは21時頃でも賑やかだったので、それとの対比が面白いですね。

ちなみに1枚目の写真が、メインストリートであるヴィリニアス通りです。
その他の写真は市庁舎や教会など。


















人気がなさすぎて一瞬ゴーストタウンかと思ってしまったものの、
それでも危険は全く感じませんでした。
他のヨーロッパ諸国よりも犯罪率が低い傾向にあるのも納得できます。

シャウレイは小さな街で、中心部周辺は2時間程度で回れました。
ちなみにシャウレイの人口密度は1,000人/㎢を超えているらしいのですが、
この時間帯に歩いていると、そのような印象は全く受けませんでしたね。


















歩いている途中には「今日中に十字架の丘へ行ってしまっても良かったかな」
等と思ったのですが、翌日昼との対比を体感できたので結果的には正解でした。


















最後は例によってスーパーの中を物色してみました。
ビールの500mL缶が1ユーロくらいでしたので、やはり物価は相当安いです。
ありがたく晩御飯とお酒を買い込んで、宿でいただきました。

私は、旅先ではレストランで食事をとることが多いのですが、
たまには地元のスーパーで買ったり自分で作ったりするのも良いですね。
リンゴの丸かじりなんかもできますし。
















シャウレイは静かで治安も良いので、街を歩いていると気持ちが落ち着きます。

一般的には、十字架の丘への経由地として認識されることが多いようですが、
人によっては少し時間を取って散策するのも良いのではないかと思います。


続きはシャウレイ後編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2017年7月
場所:シャウレイ(リトアニア)

2017年12月27日水曜日

バルト三国(その6) リトアニア トラカイ編

ヴィリニュスからリトアニア北部のシャウレイへ向かう前に、トラカイへ寄りました。

トラカイはヴィリニュスから30kmほど離れたところにある街で、
国民・観光客を問わず人気のある観光地だそうです。

例によって鉄道で行こうとしたものの時間が合わず、行きはバスを使いました。
しかし地元の人の利用が多く、途中でやたらと停車したので時間が掛かりました。
所用時間30分ほどと聞いていたのですが、1時間近く掛かったと記憶しています。
とはいえ途中の眺めをゆっくり楽しめたので、それもまた一興というものです。

バスターミナルからは、有名なトラカイ城まで2kmほど歩くことになりました。
トラカイの人口は6,000人ほどで、第一印象は素朴な街というものでしたね。
















小腹が空いたので、途中にあったお店でキビナイを買いました。

これはトラカイ地方の民族料理だそうで、ミートパイ様の食べ物です。
サクサクとした生地の中にはお肉が詰まっており、
とてもジューシーで味わい深かったですね。私好みの味でした。

カウナスやヴィリニュス、そしてこの後行ったシャウレイでも見掛けたので、
リトアニアでは割と広く売られているような気がします。

物価の安さも手伝って、値段の方も0.5~1ユーロとお手頃でしたので、
トラカイとシャウレイでは何回か買って食べました。
リトアニア料理は、私の口にはとても良く合いましたね。
















さて、こうしてキビナイを食べ歩きしつつ景色を楽しんでいると、
あっという間にトラカイ城に着きました。
トラカイ城は湖に浮かぶ島の上に建っており、実に綺麗な眺めでしたね。

なおヴィリニュスと比べると、現地の人の割合が多い印象を受け、
現地でも人気の観光地であるということが実感できました。
ヴィリニュス至近でこの綺麗な眺めを楽しめるなら、人気が出るのも頷けます。

絵葉書のような景色でした。
















15~20℃程度という気温に恵まれながら来た道を引き返し、トラカイ駅付近へ。
ヴィリニュス行きの鉄道は約2時間に1本しかないのですが、
たまたまタイミング良く20分後に発車するようでしたので、こちらで戻ることにしました。

発車まで駅近くの小さい市場を物色しつつ、時間ぴったりにトラカイ駅を出ました。
リトアニアの鉄道は時間に正確で、これはカウナス~ヴィリニュスでも思ったことです。
イングランド等では、2時間遅れたりしたこともありますからね…笑















トラカイでは、ヴィリニュスとはまた一味違った体験ができて良かったです。
この後はヴィリニュスに戻り、そのまま鉄道でシャウレイへ旅立ちました。


続きはシャウレイ前編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2017年7月
場所:トラカイ(リトアニア)

2017年12月26日火曜日

バルト三国(その5) リトアニア ヴィリニュス後編

最後の目的地へ向かう途中で、ヴィリニュス大聖堂とリトアニア大公宮殿に寄りました。

ヴィリニュス大聖堂は、この地で見た中でも一・二を争うインパクトのある建物でした。
現地の観光パンフレットに「リトアニアのシンボル」という記載があったのも頷けます。

ドーリア式の力強い円柱を備えた大聖堂が広場に鎮座する様は正に荘厳の一言であり、
たまたま人が少なかったことも手伝って、その迫力を存分に楽しむことができました。

何度か再建が繰り返されて18世紀に現在の姿になったそうですが、
当時の建築風景は果たしてどのようなものだったのでしょうか。
柱はざっと見て30m程度はありそうでしたので、これがそびえ立っているのは驚きです。

「どうやって建てたのか」という意味では、
エジプトのピラミッドやイングランドのストーンヘンジ等がよく取り上げられますが、
私は今回のような建物を見た時にもそれに近い驚きを感じますね。

とても良いものを見ることができました。




大聖堂の迫力を存分に味わい、いよいよ最終目的地に向かうために、
ヴィリニュスに来てから初めてトロリーバスに乗りました。

その目的地とは、ヴィリニュスの郊外にある聖ペテロ・パウロ教会であり、
ここはヴィリニュスを代表するバロック建築です。
外観もなかなかではあるのですが、圧巻なのは内観の彫刻群の凄まじさです。


















私の撮影技術の問題により、その凄まじさを完全にはお伝えできないのが残念ですが、
下記の彫刻群を是非ご覧下さい。
全部で2,000体程度の彫刻があるそうで、「圧巻」以外の言葉が出てきませんでした。

彫刻が「圧巻」なら人の多さもまた「圧巻」で、ゆっくり見る余裕がなかったのですが、
彫刻群は神話や聖書がモチーフになっているものが多かったです。


















ネット検索でもっと素晴らしい写真も出てきますので、
興味がお有りの方はそちらの方もご覧になることをお勧めします。

そして更に惹かれるようでしたら、歴史的背景を調べてみたり、
あるいは現地へ飛んでみたりされてはいかがでしょうか。
私にとっては、そうプッシュするだけのインパクトがある場所でしたね。

ヴィリニュス大聖堂に引き続き、とても良いものを見ることができました。


ヴィリニュス滞在は1日にも満たない長さではありましたが、
今回ご紹介した2つの建物を初めとして、非常に濃く良質な体験を得ました。
将来ヴィリニュスを含むリトアニアを再訪し、ゆっくり回りたいものです。


続きはトラカイ編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2017年7月
場所:ヴィリニュス(リトアニア)

2017年12月22日金曜日

バルト三国(その4) リトアニア ヴィリニュス中編

ヴィリニュス到着から一夜明けて、再び旧市街へ散策に出掛けました。

ヨーロッパの旧市街は、散策に丁度良い広さの場所が多いように思います。
しかしヴィリニュスのそれは相当広いので、かなり歩くことになるんですよね。

一応バスやトラムもあるものの、見所が散らばっているせいで、
観光客にとってはあまり使い勝手が良くないように思います。
私は歩くのが好きなので、何の問題もありませんでしたけど笑

昨日は旧市街の南側を歩きましたので、
本日は「昨日のおさらい」のような景色を眺めながら北側へ足を伸ばしました。


















中心部のヴィリニュス大学等がある道から脇道に入り、
炎のような外観を誇る聖アンナ教会に至りました。

余談ですが、私はメインストリートもさることながら、
下の2枚目の写真のような路地裏の光景がとても好きです。

気分が落ち着くことに加えて、賑わっている場所よりも
その土地の特徴を掴めたりすることもあるのが良いんですよね。
ひたすら路地裏を歩くだけの旅がしたくなることもあります。

ちなみに国や街によっては怖くて脇道に入れないこともありますが、
今回は全く危険を感じませんでしたので、路地裏を満喫できました。
国外でここまで落ち着いて歩ける場所はそれほど多くはありません。

さて本題に戻りますと、下の3枚目の写真が聖アンナ教会です。
見事なゴシック造りで惚れ惚れとしてしまいます。

建築にはあまり詳しくないので知らなかったのですが、
ゴシックの傑作として相当有名な建物なのだそうです。
それにしても、ヴィリニュスは実に見所が多いですね。


















聖アンナ教会から更に北へ向かい、三つの十字架の丘へ。
現地の観光用パンフレットによると、
遠い昔に処刑された修道士を弔って建てられたのだそうです。

とても見晴らしの良い丘の上にあるため、旧市街が一望できます。


















旧市街の向こうにも街や森がひたすら広がっており、
ヴィリニュスは丘陵地にある街ということがよく分かりました。

この後に行ったラトビアのリガ・エストニアのタリンはいずれも港町で、
陸の街であるヴィリニュスとの対比が興味深かったですね。
やはり高所から街全体を見渡すのはとても楽しく、そして眺めが美しいです。
この後は丘を降りて、ヴィリニュスにおける最後の目的地へ向かいました。

その目的地のお話は次回の記事に譲るとして、
道中で見掛けたネリス川がゆったりと流れていることが印象的でした。
ヨーロッパ等の川は勾配がとても緩やかなために流速が遅い、
ということが実感できる瞬間でした。


















知識としては知っていても、実際に見てみるのとは大違いですね。
移り変わりが激しい時代に生きているからこそ、
このような体感も大事にしていきたいものです。


続きはヴィリニュス後編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2017年7月
場所:ヴィリニュス(リトアニア)

2017年12月14日木曜日

バルト三国(その3) リトアニア ヴィリニュス前編

カウナスから1時間ほどで、リトアニアの首都ヴィリニュスに着きました。

今まで乗ってきた各国の鉄道の中で、車両内が一番綺麗でしたね。
あとWi-Fiが使えたので、旅行者にとってはとても快適でした。

カウナス中央駅に比べると、ヴィリニュス中央駅の駅前は整然としており、
トラムやバス、タクシーが沢山乗り入れていました。




まずは予約を取っていたPurple Pillow B&Bへ。
オーナーのご夫婦がとても親切であり、設備も充実していて今回も満足のいく宿でしたね。

そこに荷物を置いて、早速旧市街方面へ散策に出掛けました。
この時点で18時頃でしたので、北欧に引き続いて長い昼の恩恵を受けています。

旧市街の外は全体的な色彩が淡いのだろうかと何となく思っていたのですが、
予想していたよりは多彩な色が入り混じっていました。
とはいえ北欧と比較するとやや淡めで、旧共産圏所以なのかなと思いながら旧市街へ。


















「夜明けの門」という名の門をくぐり、旧市街に足を踏み入れました。


















世界遺産にも登録されているヴィリニュスの旧市街は、
広大であることに加えて、カトリック教会がとても目立つことが特徴です。

カウナス編でも書いたとおり、リトアニアの国民はカトリック信者が殆どですので、
カトリック教会が存在するのは当たり前ではあります。
しかし特筆すべきはその密度なんですよね。

ちょっと歩く度に新たな教会が出現するといった感覚で、
ここまでカトリック教会が多い街には今まで行ったことがありませんでした。
ちなみに、先ほど写真を載せた夜明けの門の上にも礼拝所があったりします。

カトリック教会の多さに圧倒されながら、旧市街を歩いていきました。
ヴィリニュスの旧市街巡り≒カトリック教会巡り、というレベルですね。


















教会だけではなく、街全体の眺めが実に私好みです。
市庁舎(下の写真の1・2枚目)等を眺めつつ歩いているうちにお腹が空いてきたので、
リトアニア料理店で晩御飯をとることにしました。


















リトアニア料理は全体的に豚肉が多く、カウナスの市場で抱いた印象と一致していました。

今回特に美味しかったのは、下の2枚目の写真のツェペリナイという料理です。
これは練ったジャガイモの中に豚挽肉等を入れて(恐らく)蒸したもので、
お肉のジューシーさとジャガイモのもちもち加減が何ともいえず美味しかったです。

それにしてもリトアニアは物価が安いですね。
旧市街の中心部付近にあるお店に入ったので、それなりに高いだろうと思ったのですが、
料理3品に地ビール2杯・赤ワイン2杯で大体22ユーロくらいでした。

この時はカウナスとヴィリニュスを半日ほど散策しただけでしたが、
見所が多い上に治安も良く、物価も安いので、リトアニアの虜になってしまいました。
あとは現地の人が全体的に親切なのも素晴らしいですね。

この後に北部の街・シャウレイにも行き、より一層リトアニアのファンになったのでした。

























晩御飯を食べ終わったところで丁度暗くなってきたので、この日は宿に戻りました。
ヴィリニュスは、オスロやストックホルムよりは南にあるので、
暗くなり始めるのが体感で1~2時間ほど早かったです。

それにしても、夜も見どころが多いのがまた素敵ですね。



















続きはヴィリニュス中編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2017年7月
場所:ヴィリニュス(リトアニア)