2017年4月29日土曜日

道東(その2) 摩周湖編

屈斜路湖から摩周駅を経由して、摩周湖へ。




夏の摩周湖では、緑色に彩られた斜面が藍色の水面をぐるっと取り囲んでおり、
その塗り分けも絶品なのですが、今回の寒色系一色の眺めもまた良いですね。
















ちなみに摩周湖には展望台が3つあり、場所によって眺めが結構変わるのが面白いです。
ただし今回はうち1ヶ所しか行かれなかったので、角度を変える楽しみはお預けとなりました。

春~秋なら、展望台の間を30分~1時間ほどで歩いたりすることもできるのですが、
流石に雪の中を歩くのは疲れるので仕方がないですね。車道しかないので危険ですし。
















雪が積もっていると、どの方角も似た景色になってしまう部分はありますが、
摩周湖の周りの景色も好きです。
下記の写真だと分かりにくいですが、屈斜路湖も遠くの方に見えます。
















なお摩周湖を研究対象として見ると、原生の姿を留めている湖として貴重な存在らしく、
国立環境研究所が長期モニタリングを行っていたりなど、色々な研究が為されています。

上記のリンクを見ていて、観測地点と分析項目が相当細かくて驚きました。
周囲は断崖絶壁に近いので調査は大変でしょうが、面白いデータが沢山取れそうですね。
屈斜路湖と性質は違いますが、どちらも眺めが美しく、そして面白い湖だなと思います。

この日は釧路に戻って海の幸に舌鼓を打ち、翌日の根室訪問に備えて早寝しました。

続きは根室編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2016年2月
場所:摩周湖(北海道川上郡弟子屈町)

2017年4月22日土曜日

道東(その1) 屈斜路湖編

これから3~4回ほど、北海道の道東を旅した時の話を書きます。

私は摩周湖が好きで、今回の旅行前の時点で既に2回行っていたのですが、
冬に行ったことがなかったので、それなら行ってみようとなった次第です。

羽田空港から釧路空港へ飛んで、そこからバスに乗って40分ほどで釧路市内に着きました。
釧路は、人口20万前後の割に繁華街である末広町の規模が大きい、という印象が強いです。

あとは特に夏になると霧の日が多く、場所によっては幻想的な風景が見られて楽しいですね。
市中心部近くにある幣舞橋付近からの眺めが好みです。

そんなことを思いつつ宿に荷物を預け、釧網線に乗って摩周湖方面へ向かいました。
夏なら釧路湿原駅で降りて、展望台から釧路湿原の眺めを楽しむのも良いのですが、
今回はかなりの積雪があって苦労しそうだったので断念することにしました。

ちなみに下の写真は、夏に細岡展望台というところから湿原を撮ったものです。




















そのまま摩周駅まで行って、まずはバスで屈斜路湖へ。
その途中にある硫黄山では白い噴煙がモクモクと上がっており、
自然の営みを体感することができました。

かつては硫黄の採鉱も為されていたそうです。




そのままバスに乗って暫くすると、屈斜路湖に着きました。
全面結氷する淡水湖の中では、日本最大級だそうです。

今回も沿岸部以外は雪と氷に覆われており、
僅かに覗いている水面を白鳥が滑っていく光景は美しかったです。
















ちなみに温泉水が流入していることもあってか、
30年以上前の屈斜路湖はpH5前後とかなり強烈な酸性湖だったものの、
今はそうでもないという話を知人から聞いたことがあります。

実際に調べてみても、昔ははっきりと酸性湖だったみたいですね。
しかし道総研のHPに載っているデータを見てみると、
直近では10年以上もpH7を上回っており、中性湖になっているようです。

人為的な施策を講じたわけではないにもかかわらず、
ここまで急激な液性変化が起こったというのは、なかなか興味深いですね。

そして昔は魚が殆どいなかったのに、
水質が中性に近づく過程で、地元の弟子屈町が魚の放流活動を行った結果、
今ではフィッシングスポーツで有名になっているのだとか。
弟子屈町のHPを見てみると、漁業権の話なども書いてあります。

話が大分横道に逸れてしまいましたが、
液性の変化と魚の話は、私にとっては大分面白かったです。

続きは摩周湖編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2016年2月
場所:屈斜路湖(北海道川上郡弟子屈町)

2017年4月18日火曜日

中欧・南欧(その17) クロアチア ドゥブロヴニク後編

中欧・南欧での最後の朝は、とても清々しかったです。

宿のオーナーさんがビールと手作りのパイを振舞って下さったので、ありがたくいただきました。
こういうホスピタリティーを感じることがあるのが、個人経営の宿が持つ魅力の1つですね。

オーナーさんに別れを告げた後は、早速城壁に登るための入口へ向かいました。


















入場料は確か120クーナ(当時のレートで約1800円)だったと思います。
年々値上げが続いており、今は150クーナになっているそうですが……。
しかしそれだけ高くとも、城壁に登る価値はあると思います。

城壁をぐるっと一周する間に、歩いている場所によって
旧市街とアドリア海が違った表情を見せる様子は、大変見ごたえがありました。
ドゥブロヴニクが「アドリア海の真珠」とも称される理由がよく分かりますね。

そして一面に広がっている屋根の橙色の美しさもさることながら、
アドリア海の若干翡翠色がかかった青色・泡立つ波の白色がとても爽やかでした。


















1時間半ほどかけて城壁の上をゆっくりと散策した後は、
良さそうなお店を選んで昼御飯にしました。
ほぼ毎日、昼から飲んでいるように見えるのは気のせいです。きっと、多分。

リュブリャナやザグレブでも感じたのと同様に、
ドゥブロヴニクもイタリア方面の影響を強く受けている料理が多いようです。
そしてクロアチアワインは相変わらず美味でした。

























食後は旧市街の背後にそびえるスルジ山へ行こうと思ったのですが、
強風の影響でロープウェーが運休してしまっていました。

歩いて登る時間はなかったので、少し高くつくもののタクシーを使うことに。
提示された値段が事前に調べておいた相場の下限に近かったことに少し拍子抜けしつつ、
麓から15分ほどであっという間に山の頂上に着きました。

この山は標高約400メートルで、山頂からの眺めは「アドリア海の真珠」に相応しいものでした。
山の中腹からの眺めは更に良かったので、時間があればそこにタクシーを停めて貰って、
景色を満喫したかったところではあります。その点だけが心残りですね。


















その後はそのままドゥブロヴニク空港へ行って貰ったのですが、
旧市街から2~3kmほど離れた場所からの眺めがこれまた絶景でした。

もしドゥブロヴニクへ行かれる方がいらっしゃったら、
山の中腹や空港への道の途中からの眺めを堪能されることをおすすめします。
そして私にも写真をお裾分けして下さい笑


ドゥブロヴニク空港からはミュンヘン経由で帰国し、
こうして大変楽しかった中欧・南欧旅行は幕を閉じました。

ミュンヘンのビールと肉料理、リュブリャナ・ザグレブの魅力的な街、
プリトヴィツェの雄大な水流、サラエヴォ・モスタルの複雑な魅力、
コトル・ドゥブロヴニクの橙色と青色のハーモニー。

スロベニアのブレッド湖へ行く際に、上記のうち何か所かを再訪したいですね。
私は同じ場所にリピートするよりも、新しい場所へ行くことの方に魅力を感じるのですが、
今回はリピートしたいと思うほど素晴らしいところばかりで、大変満足度が高かったです。

10年以内には再訪することを誓いつつ、中欧・南欧の旅行記を締めとさせていただきます。
次は国内のどこかの旅行記を書こうかな。


【旅先の詳細情報】
時期:2016年10月
場所:ドゥブロヴニク(クロアチア)

2017年4月16日日曜日

中欧・南欧(その16) クロアチア ドゥブロヴニク前編

コトル・ドゥブロヴニクと、世界遺産の街が続きます。
コトル→ドゥブロヴニクのバスは、国境以外では殆ど停車しなかったので快適でした。

もしこの路線に乗る方がいらっしゃったら、海側の席に座ることをお勧めします。
というのは、途中で山に入る区間も一部あるのですが、
それ以外では基本的にアドリア海がずっと見えて綺麗だからです。

その素晴らしい景色を眺めながら、コトルから2時間あまりでドゥブロヴニクへ。
バスターミナルで路線バスに乗り換え、10分ほどで旧市街に着きました。
ドゥブロヴニクの旧市街は、全体が城壁に囲まれています。


















街の雰囲気はコトルと似ており、どちらも優美かつ歴史を感じさせられる街でした。

但し、コトルの城塞とドゥブロヴニクの城壁とでは整備され具合がかなり異なっており、
この点が両者の一番の相違点だと感じました。
どちらが良いという性質のものではなく、それぞれに味があって良かったです。

コトルの城塞は比較的自然のままで放置されているのに対して、
ドゥブロヴニクの城壁は足場や施設がかなり整えられていました。
あと、ドゥブロヴニクでは旧市街の背後にある山へ行く際にもロープウェーを使えるのに対して、
コトルでは海抜約250メートルまで自力で登らなければなりません。おかげで疲れました……笑

さて、この日はドゥブロヴニク到着が夕方でしたので、
宿に荷物を置いて軽く散策だけすることにしました。
旧市街は結構坂道が多く、坂の上にある宿を取ったせいで一苦労することになりました。

























ちなみに宿はStudio Tonyというところで、ここのオーナーさんも大変親切でした。
今回の旅では、ミュンヘン以外では個人がやっている宿を取ったのですが、
全体的にオーナーさんに恵まれましたね。価格がお手頃なのも嬉しいところです。

旧市街をぐるっと取り囲む城壁は、上に登って歩くことができるのですが、
残念ながら夕方になると入口が閉まってしまいます。
そのような理由で、この日は旧市街内部を散策することにしました。


















少々人が多すぎる点には苦笑しつつも、建物の建築様式や見た目の荘重さなど、
歴史を感じさせられる要素が満載で楽しめました。

現在の様子からは想像もできないのですが、過去には何回も戦火に晒されており、
時には壊滅的な被害を受けながらも、その度に修復されてきたと聞きました。
ユーゴスラビア内戦の際には、世界危機遺産に登録されるほど破壊されたのだそうです。

歴史を学んだ上で現地を訪れたり、あるいは現地訪問後に歴史を紐解いたりすると、
どちらか1つだけ実行するよりもはるかに多くの知見が得られるという思いを新たにしました。
数日間の旅行ではなく、年単位での滞在の方がより良いところではあるのですが、
そこは時間やお金の制約があるので仕方がないとしたものです。

日が暮れてきたタイミングで良さそうなレストランを見つけたので、晩御飯にしました。
思っていたよりも量が多かったため、ゆっくり景色を楽しみながらいただきました。
そして食後にオリーブをつまみつつクロアチアワインを味わった時間が、
この日一番の至福の瞬間でしたね。ちなみにこのオリーブ、山盛なのに150円でした。
















満足のいく食事で中欧・南欧最後の夜を締めくくり、いよいよ旅行最終日を迎えました。

続きはドゥブロヴニク後編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2016年10月
場所:ドゥブロヴニク(クロアチア)

2017年4月13日木曜日

中欧・南欧(その15) モンテネグロ コトル後編

満腹になったところで、城塞へ。途中の雰囲気もなかなか良いです。




旧市街から城塞に至る道は3つあって、そのうち2つは3ユーロ取られるのですが、
最後の1つは何故か自由に通れるそうです。
その入口が遠かったので、私は大人しく3ユーロを払いましたけどね。

旧市街から見上げた時はそこまで高く見えなかったのですが、
実際に登り始めると想像以上に疲れました。

これだけハードなら昼御飯の前に登れば良かったと思いつつ、城塞の下の方に着きました。
眺めは上々です。




更なる絶景を求め、より上の方へ行くことにしました。




一番上に着いたのは、城塞に登り始めてから大体30分経った頃でしょうか。
ドゥブロヴニクからの日帰りだと、ここまで登る余裕はなかったかもしれません。

最上部から眺めた景色は、汗をかいて登っただけの価値はありました。
家々の橙色の屋根が明るく輝いており、海の色と調和して美しかったです。

この土地の近辺で採れた粘土がたまたま橙系統の色だったために、
このような統一された景観になったのだと推察しますが、それにしても綺麗ですね。
リュブリャナやこの後行くドゥブロヴニクでも、同じ感想を抱きました。


















ちなみに下の写真のとおりコトルは湾の奥に位置しているので、海がとても静かです。
ものすごく凪いでいて、あまり海には見えなかったくらいでした。


















絶景を満喫したところで時間が迫ってきたので、
急ぎ足で旧市街まで降りて、宿で荷物を回収してバスターミナルへ。
オーナーは最後までエネルギッシュで、とても素敵でしたね。

モスタルの時と同様にリンゴを買って、
最後の目的地であるドゥブロヴニク行きのバスに乗り込みました。

続きはドゥブロヴニク前編へ。


【旅先の詳細情報】
時期:2016年10月
場所:コトル(モンテネグロ)