ザグレブから約1時間で到着したサラエヴォ国際空港は、とてもコンパクトな造りでした。
両替所など必要最低限の施設はあるものの、首都の空港としては簡素な印象を受けましたね。
ちなみにボスニア・ヘルツェゴビナではマルカ(兌換マルク)という通貨が流通しており、
クロアチアの時と同様に補充をしなくてはならなかったので少し面倒でした。
実際には多くのお店でユーロが使える上に、少数ですがクーナを使えるお店もありましたので、
そこまで多額を補充しなくても良かったかなとは思いました。
空港から市内へ向かうタクシーでも、ユーロで支払いを済ませたくらいですしね。
空港から10kmほどタクシーに乗って、市中心部に着きました。
サラエヴォは今回の旅行で一番行きたかった街でしたので、否が応でも期待は高まります。
途中で車窓から見えた壁に銃弾の痕があり、ここで紛争が起こったという生々しさを感じました。
中心部でタクシーを降りて思ったのは、「色彩に乏しくて雰囲気も暗めだな」ということでした。
灰や茶などの暗色をした建物が多いことに加えて、川も黄土色の水が静かに流れており、
さらに人通りが少なかったこともあって、正直に書くと第一印象はあまり良くありませんでしたね。
実際にはそのようなことはなく、エキゾチックで楽しめる要素が多かったです。
その一方で紛争の爪痕も所々に残っており、複雑さを感じさせられる街でした。
20世紀前半に起きたサラエヴォ事件の現場であるラテン橋を横目に眺めつつ、まずは宿へ。
今回はApartment Dinoという宿に泊まりました。
こちらのオーナーであるDinoさんは大変親切かつ素敵な老紳士であり、
サラエヴォに関することなど、気さくに話をして下さったのでとても嬉しかったです。
このような素晴らしい出会いがあることは、旅をする醍醐味の1つだと思っています。
そして広い・眺めが良い・安いという三拍子が揃っていたので、文句の付けようがありません。
宿に荷物を置き、中心街であるバシュチャルシヤへ向かいました。
第一印象とは違って華やかで楽しげなお店が並び、眺めているだけでも飽きませんでしたね。
手製の絨毯や金属細工といった職人的な製品が多く、味わい深かったです。
また、セルビア正教会やカトリックの大聖堂、ユダヤ教のシナゴーグ、イスラム教のモスクと、
色々な宗教に関連した建物が建っており、さながら主要宗教の展覧会のようでした。
地元民らしき人々も、ヒジャブを被っている人、ロザリオを持っている人と様々であり、
ボスニア・ヘルツェゴビナが多民族・多宗教国家であることが実感できました。
下の写真は、サラエヴォのシンボルとして紹介されることもある「セビリ」という水汲み場です。
お腹が空いてきたので、この近くで晩御飯をとることにしました。
今回いただいたのはチェバプチチです。
これは挽肉を丸めて固めたものを香辛料で味付けした上で、
パンのようなものと一緒に焼いた料理で、サラエヴォの名物だそうです。
食べてみるとこれがなかなかクセになる味わいで、
付け合わせの生タマネギに適度な甘みがあるのも相まって美味しかったです。
何といっても肉のジューシーさがたまりません。
サラエヴォを出る前にもう一度食べることを決意したのでした。
スロベニアやクロアチアの料理は、イタリア方面の影響が強そうでしたが、
こちらは全体的にトルコなど中東の国々を想起させる料理が多かったです。
歴史・地理・宗教の違いによって各国で色々な料理を味わえるのは、
旅の醍醐味の1つですね。
お店を出て、次は通称スナイパー通りを歩くことにしました。
それにしても、ドイツ以上に寒かったです。10月中旬ながら既に0℃という……。
続きはサラエヴォ中編へ。
【旅先の詳細情報】
時期:2016年10月
場所:サラエヴォ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
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